令和4年4月に北海道知床沖で発生した観光船の事故後、マリンレジャーへの安全意識が一段と高まり、小型船利用者の安全性を強化する制度の改正など、釣り業界も動きを見せる中、当組合では「令和6年度・落水者救助訓練」を実施しました。
6月4日午前、東京都大田区平和島の「まる八」桟橋に、組合員及び各店の従業員など60人が集まりました。
最初に行われた訓練では、遊漁船の操業時に落水者が発生した場合を想定。参加者がロールプレイ型で「船長役」「乗客役」「落水者役」になり、落水者の位置確認など初期動作から、“引き寄せ”及び“引き上げ”に至るまでの救命具の準備や取り扱い方法を、潮況や乗船者数、落水者のケガや意識の有無など様々なシチュエーションを想定した複数のパターンで行いました。
今回の訓練には「東京海上保安部 警備救難課」が立ち会われ、様々なご指導をいただきました。質疑応答の際、毎日現場で操業する船長達から具体的な疑問や質問が向けられて、あらゆる現場を想定した実践的アドバイス等をいただくこともできました。また、私どもの訓練について、各自が救助法に工夫を凝らし、参加者同士が積極的に意見を交わし合う様子に高評価いただけたことは、とても励みになりました。
そして、警備救難課チームの皆様にエキスパートならではの救命具を用いて落水者救助の実技を展示していただきました。
その後、「日本水難救済会」様による着衣泳法『エレメンタリー・バックストローク(イカ泳ぎ)』の展示では、ショルダー型とウエスト型のタイプの異なるライフジャケットをそれぞれ装着し、呼吸確保しやすい方法等について、解説を交えながら実演して頂きました。
最後に、現場で心肺蘇生の必要な方が発生した場合を想定し、「AED」使用法の訓練を、東亜建設工業株式会社の方々と講師の方にご指導をいただき、参加者がチームに分かれ体験。救助する側だけでなく、不慮の落水から救助される側の知識も深め、約1時間半にわたる訓練は終了しました。
実際に訓練してみると、着衣のまま落水して船上に自力で上がること、船上から落水者を引き上げること、いずれも想像以上に容易ではないことを体感しました。
今後もこうした訓練を継続し、万一に備えながら、細心の配慮をもって安全な操業に努めて参ります。
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今回の訓練では「東京海上保安部 警備救難課」様 及び 「(公社)日本水難救済会」様にご指導・ご教示を頂きました。
また、海上工事において多様な現場実績をお持ちの「東亜建設工業株式会社」様に今回の訓練計画よりご支援・ご協力を頂きました。
皆様のお蔭で「令和6年度・落水者救助訓練」を、無事安全に実施できましたことを感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。