東京湾遊漁船業協同組合青年部
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第2回 羽田沖浅場調査報告書
(平成14年6月)

東京湾遊漁船業協同組合 青年部

 平成14年6月11日(火)に組合青年部9名(1名欠席)及び所属船宿 【入舟】豊島博実氏の10名で羽田沖浅場視察を行った。
 まず4月2日の第1回視察調査時に設定した、A・B・C・D地点に正式な観測地点を位置付ける為に、組合名前入りの旗を打ち込み、同時に砂の埋まり減り具合を定期的に確認出来るよう、角材に印を付け打ち込む作業から開始。

資料画像1 観測地点旗打ち込み作業)



 長さ150cmの角材を2本、80cm埋め込み、組合名入り旗を両サイドに結び観測地点を完成。

 これ以降は各地点毎にその付近の様子、生物の生息状態などを順に報告致します。

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★ A地点(羽田沖北側砂留堤1番と2番の間) ★



 砂留堤の間という事もあり、砂の埋まり減りが一番興味深いポイントで、砂質は1m掘っても表面の砂質と変わらない状態。
 しかし、水打際には無数の【フクロイソメ】が確認され、このフクロイソメというのは、クロダイ釣りなどの餌として優遇される種であり、表面に袋状の部分が3〜4cm顔を出し、袋の全長は50cm位ともいわれ、今回捕獲は出来ませんでしたが、その辺の事に詳しい豊島氏の話によると、『スコップで一気に周囲から掘ると捕獲出来る。クロダイ釣り愛好家が知ったら涙を流して喜ぶ。普通買えば1匹100円からするエサである』などと、詳しくその状況を教えて頂けた。

資料画像2 フクロイソメ)



 前回視察時にもいたのかも知れませんが、知識が無かった分、まったくのノ−マ−ク状態で、言われてみると、幼少の頃から潮干狩に行くとそのような生物がたくさんいた事を思い出しました。
 埋めた砂にそのような生物が生息しているという事は、常に興味深い事であるとともに、今後の動向に注目したい点である。
 二枚貝の生息調査では、観測地点標識から25m沖へ出た辺りから、シオフキ・アサリ・アオヤギの生息が確認。種別ではシオフキが圧倒的に多く捕獲されました。
 砂留堤の間という条件の中で、次回観測時に生息貝に変化が出るかどうか興味津々。
 最干時に合わせて調査したのだが、砂留堤が近いせいか多少の悪臭(干潟独特のアオサ等の臭い)が感じられたのも事実。また、イシガニ・マハゼ稚魚も捕獲こそ出来ませんでしたが確認しました。

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★ B地点(羽田沖北側2番砂留堤東側) ★



 観測地点杭を打ち込んだ際に、130cmの所では底質が変わり、表面の砂ではなく粘土質のような茶色い砂が確認。

資料画像3 打ち込み作業によって出てきた粘土質砂)



 豊島氏の話によると、『そのような底質だった頃(平成3〜4年)はマゴチやアナゴがたくさん居ついた時期と重複するだろう』との事。
 確かにその頃、マゴチ釣りで水深2〜3mの波打際でも釣れた記憶があります。
 水棲生物が生息しやすい砂質というものが、存在する事を改めて認識出来た気がします。
 この周辺は【フクロイソメ】は少なく、2番砂留堤に近づくと確認出来ました。

資料画像4 2番砂留堤付近及びフクロイソメ)



 砂留堤付近のゴロタ石に下には、多摩川などでも見受けられるカニも生息しており、こちらも今後の動向を興味深く感じました。
 二枚貝の生息調査では、観測地点標識から15m沖へ出た辺りから、A地点同様シオフキ・アサリ・アオヤギの生息が確認。ここでもシオフキが圧倒的に多かったのですが、アサリに関しては数は僅かでしたが粒が大きかったです。
 ここではイシガニ・マハゼは確認出来なかったものの、死骸ですがタイワンガザミは確認。
 死骸なので流れ着いた可能性もありますが、水深の深い所では生息している可能性があるのでは。

資料画像5 二枚貝採捕風景)



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★ C地点(羽田沖東側テトラ周辺) ★



 位置的に最干潮時でも干潟が出る部分が少ない事もあり、観測地点標識を打ち込む場所も空港護岸に寄ったテトラ周辺に打ち込み、この周辺は完全に水に浸からない場所のせいか、打ち込み作業にもひと苦労。そんな場所なので底質は130cm掘っても表面と変わらず。
 この周辺はフクロイソメの生息が一番多く確認され、干潟から少し水に入った地点で底質が変わり、軽く掘っていくとジャリジャリした地盤。
 当組合所属船宿で5月中に潮干狩船を出船し、この周辺で一番アサリが取れたと証言。

資料画像6 今年4月潮干狩風景)



 やや小粒なものの、当日の調査でも4ポイント中一番多くアサリが取れました。同様にシオフキ・アオヤギが確認された他、マテガイ・ヤエンボも微量ではありますが確認出来ました。
 テトラ周辺という事もあり、イシガニ・マハゼ稚魚・ヤドカリ・ニシなども多く生息しており、空港角地で潮通しが良い条件となり、たくさんの水棲生物が存在する証しとも言えよう。

資料画像7 C地点で採捕された貝類及び甲殻類)


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 余談ではありますが、この周辺はテトラの上に打ち上げられた流木やゴミが、まだまだたくさん存在しており、ボランティア清掃活動もマメに行わなければならない事を各自で実感。

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★ D地点(羽田沖南側誘導灯西側) ★



 当日は台風4号接近の余波で朝から南西風がやや強い状況。A・B・C地点は空港が陰となるので波の影響なく順調に調査が進みましたが、このポイントはまともに風が当たってしまう為、波も高く調査が困難な様相の中、観測地点旗打ち込み作業から始め、ここもA地点・C地点同様、砂質は表面と変わらない状態。
 フクロイソメの調査を担当していた2名は、C地点から歩いて水際を確認しながら調べたところ、南東側のテトラから誘導灯にかけて生息確認出来ましたが、そこからD地点に向かう間には、1匹も確認出来ず、担当した豊島氏によると、『他のポイントとはまったく底質が違う。埋立時に使用した良質の砂が水際まで覆われており、中に入れば存在するとは思うけど、水際底質の違いが歴然だった』と。

資料画像8 南側誘導灯付近フクロイソメが生息しない砂浜)



 海の状況も悪く、二枚貝調査は断念せざるを得ず、D地点に関しては次回の調査時に入念に行う予定。
 以前、このD地点付近でアサリが大量に取れた年には、8月過ぎても大粒のアサリが取れた実績もあり、水棲生物同様、動向を追い続けます。

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 A〜D地点全体に言える事は、水際から10〜20m地点に砂が盛り上がっている部分が必ず存在しています。その周辺をさかいに二枚貝が生息しているように感じました。以前はその盛り上がっている部分でハマグリも取れた事がある。と、潮干狩出船する組合員からの情報もあり、その部分の砂を回収し専門分野の方に地質調査を依頼してみる事も、今後の生息状況において非常に重要な事ではないでしょうか。

 それが実現されこれから各所で埋立工事がある際に、ただの山砂を使うのではなく、生物が住みやすい砂を用いて頂ければ、自然の生態系を崩す事は好ましくないまでも、最小限に被害をおさえる事につながっていくと思います。

東京湾遊漁船業協同組合 青年部
長 八 渡辺 泰宏    いわた 岩田 登行
ミナミ 安達 任伯    吉野屋 吉野 吾朗
かめだや 野口 勝弘    第二泉水 小玉 裕之
かみや 神谷 貴之    岩田屋 岩田 一人
小林丸 小林 奈津夫    吉 久 吉野 昭久
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